四国の地すべり


◇善徳(ぜんとく)地区

 善徳地すべり地域は、祖谷川の中流部、徳島県三好市西祖谷山村善徳地先の両岸に位置し、善徳、今久保の2地区にまたがる日本でも最大級の破砕帯地すべり地です。斜面は主として畑地や林地として利用されています。また、祖谷のかずら橋を中心とした観光地でもあるため、斜面に散存する民家に加え、旅館や民宿などわずかな平坦地に軒を連ねております。

 この地域の地すべり活動は、安政地震(1854年)に端を発したといわれ、それ以降もきわめて活発な動きを示しており、種々の対策がなされている現在でも、その活動量は大きく年間10㎝以上に達する区域もあります。

地すべり防止区域面積

220.9ha

地 形 

 最大斜面長

   幅  

平均斜面勾配

 900m

2,000m

27°

地  質

三波川帯、地下部で泥質片岩、砂質片岩の互層、

上部は、緑色片岩を主体とした結晶片岩

地すべり防止区域指定

善徳  昭和34年3月31日指定 廃止
今久保 昭和35年3月4日指定 廃止
善徳  昭和57年3月27日指定(建告第857号)

直轄事業

昭和57年4月6日(建告第1,000号)

主な対策

排水ボーリング、集水井工、表面排水路工、

アンカー工、排水トンネル等


 アンカー工による地すべり対策

 排水トンネル


◇怒田・八畝(ぬた・ようね)地区

 怒田・八畝地すべり地域は、南小川、南大王川沿いの高知県長岡郡大豊町怒田地先の両岸、標高200~700mの斜面に位置し、怒田、八畝、立野の3地区に分けられます。地域一帯は、保水性の良さから水田として利用され、多くの人家と耕地があり、広く生活の場として利用されています。

 この地域の地すべり活動は、かなり古くからあり、南大王川へ土塊の押し出しを繰り返してきました。これまで種々の対策がなされていますが、地すべりの動きは現在も活発で、年間10cm以上の移動がみられる区域もあり、豪雨時には特に大きな変動を示しています。

地すべり防止区域面積

410.8ha

地 形 

 最大斜面長

   幅  

平均斜面勾配

1,000m

2,000m

20°

地  質

玄武岩質、集塊岩質、凝灰岩質の御荷鉾緑色岩類主体、

一部、三波川帯の結晶片岩

地すべり防止区域指定

立野・八畝 昭和35年3月7日指定 廃止
怒田    昭和37年10月9日指定 廃止
怒田・八畝 昭和57年3月27日指定(建告第859号)

直轄事業

昭和57年4月6日(建告第1,001号)

主な対策

排水ボーリング工、集水井工、表面排水路工等

 


 間伐材を利用した集水井

 表面排水路


 ※四国の地すべりについては国土交通省四国地方整備局四国山地砂防事務所のホームページ

  ご覧いただければ詳しい内容がお分かりいただけます。

  こちらのページは四国山地砂防事務所より情報提供を頂いております。